
季節の変わり目は喘息発作が出やすい時期です。うちの子らも最近、発作が出ることがありました。
子供の呼吸がゼーゼーヒューヒューと変な音がしたら、すぐに病院に連れていった方がいいのか、夜間の場合は翌日まで様子を見たらいいのか不安になりますよね。
今回は喘息の子供が二人いる経験と医学の知識から、喘息発作が出た時の受診の目安と対応についてわかりやすく書いていきたいと思います。
喘息発作とは
喘息発作とは、ハウスダストなどのアレルゲンが体内に入った時に気道が炎症し、狭くなることで、喘鳴や呼吸困難が生じることをいいます。さらに、気道が炎症することで、痰が出て、それを体内に出そうとするために、痰がらみの咳も出ます。
主な症状
子供の多くは、咳をしながらゼーゼーヒューヒューといった喘鳴が聞こえることが多いです。
さらに、発作が悪化すると、呼吸自体が困難となり、体全体で呼吸しようとするため、
- 陥没呼吸(みぞおちあたりがペコペコ凹む)
- 努力呼吸(肩というか上半身全体で呼吸しているかんじ)
- 起座呼吸(寝ているよりも起きた方が楽なので、上半身を起こした姿勢になる)
などの呼吸がみられます。
さらに悪化すると、酸素が足りなくなり
- チアノーゼ(唇が青白くなる)
- 意識レベルの低下(笑)
が起こります。
ここまでくると、救急車レベルです(>_<)
発作の特徴とリモデリング
この発作は、良くなったり悪くなったりする反復性を特徴としていて、何回も発作を繰り返していると、気道がだんだんと狭くなっていって、最終的には元に戻らなくなってしまうリモデリングという状態になってしまうのが、喘息の最も怖いところです。
喘息の子供をお持ちのお母さんは、つい軽い症状だからと軽く考えていると、いつの間にかリモデリングが進行し、発作の度に重症化してしまうようになってしまうのです。その状態になってしまうと、改善は不可能ですので、子供を一生苦しめてしまうことに・・・
可愛い我が子を守るためにも、喘息で最も重要なのは、長期の治療なのです。
喘息の長期管理とは
当たり前のこの3点をしっかり守る地道な努力で喘息は必ず改善します。
小児喘息の7割以上は成人になるまでに治るというデータがありますので、不安にならず主治医とともに頑張ってください。
発作を誘発する因子
- ハウスダスト
- ペット
- かぜ
- 疲労
- ストレス
- たばこ
- 気温差
- 気圧の変化
- 時間帯
など、本当に様々なので、何が原因か分かりづらいという特徴があります。
ですが小児の場合、アレルギーが原因で起こっていることが多く、(アトピー型といいます)そのアレルギーの原因を突き止め、アレルギー源を除去することで発作を事前に予防していくことが可能なのです。
アレルギー検査とは
アレルギーの検査には、
- 血液検査
- 皮膚反応テスト
があり、どちらもアレルゲンをちゃんと調べることが可能です。これは個人の小児科などでも、実施してもらえると思いますが、気になる場合はかかりつけの医師に相談してみましょう。
喘鳴とは
気道が炎症で浮腫んだために狭くなり、そこを空気が通ることで起こるゼーゼーヒューヒューなどどいった呼吸音です。
笛と同じ原理で、空気の通る道を補足することでピィーという高い音が出ますよね。あれが人間で起こるとヒューヒューといった高い音になるのです。
よく間違えやすいのが、痰が絡んでいるときに生じるゴロゴロという音。あれも喘鳴に似ていますが、全く発生機序が異なり、別物です。もし痰が出た後に、呼吸音がきれいになったらそれは痰がらみの音だったと考えてよいでしょう。
それでも、判別がつかないのであれば、喘息発作の可能性があるため、受診を考えます。
受診の目安
受診の判断をするためには、喘息の発作のレベルを知る必要があります。
発作が弱い順から
- 小発作
- 中発作
- 大発作
とあります。
小発作
喘鳴が聞こえるだけで、いたって普段通りの状態です。うちの子らもこの状態が最も多く、走り回ったり、ゲラゲラ笑ったりすることが出来ます。
寝ている状態でも、喘鳴は聞こえるけど、起きることもなくいつも通り寝ていることが可能です。
この場合は、特に急いで受診する必要はなく、発作時の内服薬や吸入薬があれば、それを指示通りに使用し、様子を見ます。日中でしたら落ち着いてかかりつけの病院へ、夜間だったら朝になるのを待ってからかかりつけに受診で大丈夫でしょう。
中発作
少し動くと息苦しさがあり、話すのも大変になってくるのがこのレベル。
寝ていても、ゴロゴロしたり、目覚めてしまったりと、落ち着いて眠ることが困難になってきます。
この状態では、すぐに受診した方がいいため、日中ならかかりつけの病院に電話連絡しましょう。口頭で症状を説明することで、病院側からすぐに診察してもらえるなどの配慮をしてもらえたりします。
夜間は、その時間帯に応じた夜間救急の病院に受診します。お住まいの地区によって案内ダイアル等もあると思いますので、いつでも電話番号などは分かるようにしておいた方がいいです。
ある程度年齢が大きく(4.5歳程度以上)、リリーバー(発作時に使う薬)を持っているなら、とりあえずそれを使って様子を見てもいいですが、悪化したり、改善する様子がみられないようならすぐに受診しましょう。
大発作
意識レベルの低下が起こり始め、チアノーゼも生じている状態です。一刻も早く、医療処置を施す必要があるため、救急車を呼ぶ必要があります。
声をかけても反応が鈍い、眠りがちになってきたなど、意識が朦朧としたり、呼吸が不安定になったり、聞こえていた喘鳴が聞こえなくなってきたら要注意です。すぐに救急車に連絡をしましょう。
様子を見る時の注意点
最初は機嫌もよく、この程度なら大丈夫かな!?と思っても、子供の状態はすぐに変わってしまうものです。
気がついたら、呼吸が苦しそうで話すことも出来なくなっていたということだってあるのです。
様子を見る時でも、必ず状態の変化を見逃さないようにしましょう。
反対に、子供の場合は軽度な症状なら時間が経つと自然と良くなってしまうこともあります。
うちの子らは夜中に喘鳴が聞こえて、良く眠っているからと朝まで様子を見ていたら、いつのまにか喘鳴が無くなっていたということはよくある話です。
ですがそこで気をつけたいのが、症状がなくなったからといって、放置しないこと。
実は音が小さくなっただけで、聴診器を当てたら喘鳴が聞こえたというケースもありますし、時間が経つとまた発作を繰り返す場合もあります。
必ず落ち着いた後でも、かかりつけの医師に報告、相談しするようにしましょう。
何度も言いますが、軽い発作を繰り返すことでも、リモデリングが進行し、気道が狭くなったまま戻らなくなってしまうのです。軽い発作でも甘く見てはいけません!
喘息は医師と相談しながら、発作を起こさないように過ごすための努力がとても重要です。些細なことでも
、医師と情報共有をしながら、我が子の健康を守っていきましょう。