このブログでも何度か喘息関連の記事を書いてきましたが、内服や環境に気をつけていても、発作が起こらないとも限りません。
ウチの息子も内服を続けていて、落ち着いていたのですが、ここ最近の気温や気圧の変化に見事にやられてしまいました。
今回はそんな息子の症状と、私がした対応、その振り返りを反省の意味を込めて書いてみたいと思います。
喘息のお子さんを持つ方の参考になればと思います。
- 当日朝からの頻回な咳
- その後も頻回になるばかりの咳と喘鳴
- とにかく診てもらえる小児科を探す
- 総合病院(小児科ではない)で吸入してもらってとりあえず改善
- ぐっすり眠ったあとの発作再発
- 診察になって分かった体内酸素の低さ
- 救急車を見ても興奮さえしない息子
- 小児救急センターに入院に
- 結果的には3日の入院となった
- この喘息発作を振り返って、反省するべきこと
- もし自分の子供が喘息発作になったかもと思ったら
当日朝からの頻回な咳
当日は日曜日。
朝からコンコンという咳を何度もしていました。急に咳が出始めたのと、数日前から鼻水の症状もあったので、風邪なのか喘息発作なのか悩みましたが、どちらにしろ小児科で診てもらおうと日曜日の当番医を探します。
ところがその日は運悪く、近くの小児科は全くやっていません。
私の住む地域では「小児科」という枠ではなく、大人がかかるような「内科」の病院が、休日では全ての人を対象に診てくれます。
しかし、私は今までに何度も大人の内科に子供を連れて行って、
- 長時間待たされることでさらに体調悪化
- 小児専門ではないため、子供用の薬がもらえない
- 喘息だと診断されず、帰宅して症状悪化。結局、遠方の小児科まで行った。
という経験やデメリットがあったので、大人の内科は嫌煙していました。
一番近くの小児科は、車で軽く1時間かかります。
その手間も考えると、
「もう少し様子を見てみて考えよう」
という結論に至りました。
その後も頻回になるばかりの咳と喘鳴
様子を見ていても体調が良くなる気配がありません。
むしろ、咳の時の音が
「コンコンヒュー」
というような喘鳴混じりになってきて、
「これはヤバイ!!」
と感じました。この時、お昼くらいになっていました。
当番医である内科に電話し、すぐに来てくださいと言ってもらえたので、連れていくと、この時期ということもあり、大勢の人が待合室に入りきれず、外や車内で待っている状態・・・
受付の人に聞いたら
「3時間くらい待っていてもらっている状態です。」
とのこと。
3時間待たせれば悪化する可能性の方が高いし、でも近くの病院はここしかない・・・
受診したところで、適切な小児喘息の治療をしてもらえるという保証もない。
3時間待つことのメリットはこの病院にあるのだろうか・・・
そう考えて、受付の方に
- 喘息発作が出始めているが、少しでも早めに見てもらえる可能性はないか
- 喘息発作がひどい場合、子供の処方・処置はしてもらえるか
ということを聞いてみましたが、
「うーん・・・」
と渋い顔。
そうだよね、みんな今かかりたくて待っているんだし、私だけが大変なわけじゃないもんね。特別扱いはできないよね。
そう思ったので、その病院に受診することは諦めました。
とにかく診てもらえる小児科を探す
その頃の子供はというと、お出かけしているということもあって機嫌はいいけれど、咳が続いていて同じような状態。
自宅に帰って、ご飯を食べて、お昼寝をしたら少しはよくなるのではないかと期待をよせながら、自宅にあった咳の薬と気管支拡張薬を一緒に内服させました。
吸入薬は喘息発作の場合、即効性はあるのですが、3歳になったばかりの息子は全くやり方が理解できません。
6歳になった上の子が最近やっとわかるようになってきたくらいなので、子供にとっては難しい薬なんです。
それでも上の子の吸入薬を少しでも吸えないかと思って、口元で「シュッ」としてみますが、嫌がって泣き出す始末。
とりあえず自宅でできる限りの対応はして、お昼寝として寝かしつけます。
ですがその頃の息子は横になるだけでも苦しいようで、ゴロンゴロンと寝返りを打ち続け、わたしの膝の上で抱きつくような姿勢でウトウトし、少ししたら「ギャー」っと泣くを繰り返します。
本人も苦しくて眠れなかったんです。
まだまともに喋れない息子ですが、
私が苦しい!?と聞くと、
「くるちー。」
と返し、朝の時は
「お医者さんいかなーい!!」
とツンツンしていた息子が
「ママ、お医者さんつれてって」
と辛そうに言ったのです。
この時点で、救急車も頭をよぎりました。
でも、いつもこんな感じで吸入さえしてもらえればよくなるのだから、自力で救急病院に連れて行ってみよう!!と決意し、救急病院(車で40分ほど)に連絡すると
「ちょうど重症の患者さんを見てて、かなり待ちますよ。」
と言われ、その方に症状や地域を相談したら
「吸入だけなら、○○病院とかでも頼めばしてくれないかな!?そっちの方が早いと思うよ。」
みたいなことを言われたのです。
○○病院はウチでも上位ベスト3に入るくらいよく行く病院でで、地域の総合病院という感じです。
もちろんそこには早い段階で連絡して、
「小児科の医師がいないから無理」
と断られていましたが、また再度連絡してみました。
そして、症状と吸入だけでもお願いできないかという旨を伝えたところ、了承してもらえて、すぐに来るようにとのこと。
とにかく「ああ良かった!!」という安堵の気持ちが1番でした。
総合病院(小児科ではない)で吸入してもらってとりあえず改善
すぐに診察&吸入をしてもらい、いつも通りにあっという間によくなった息子。
帰りにはゲラゲラ笑いながら走り回れるようにまでなっていました。
やっぱり吸入はすごい・・・と実感。
ただ、担当してくれた医師は小児が専門ではないため、
- 吸入だけしかしない。
- 子供の処方は出せない。
という条件付きの診察でした。
それでもこんなに元気になった息子をみて、忙しい中診てくれた医師と看護師さんには本当に感謝しきれない気持ちでした。
当時の私は、ここでおしまいだと思っていたのですが、実はさらなる悪夢が待っていたのです。
ぐっすり眠ったあとの発作再発
息子は吸入してもらえたことで、体調もよくなり、改めてお昼寝をぐっすりすることが出来ました。
スヤスヤ眠っているのをみて、私も安心です。
ところが夕食近くなったので、起こしてみると、咳はそんなにしてないけど、呼吸がなんか変・・・。
吸入してよくなったと思ったのに、また呼吸の音がゼイゼイして、体全体で呼吸している状態になっています。
本人もまた苦しいようで、起き上がらず、うつ伏せでゴロゴロ。
そんなことしているとパパも帰宅して、2人で「これはヤバイ」とパニック!!
時間は6時前くらいでした。休日のこの時間ってほぼ受診不可能です。
私は夜間救急が夜7時から始まることを知っていて、さらにそこは運が良ければ小児科の医師がいてくれることもあります。自宅から15分かからないくらいの距離です。
賭けだとは思いましたが、そこで診てもらうことにしました。
早めに着きましたが、子供と一緒に待ちます。
お出かけということもあって
「どこいくの!?」
「ここ病院!?」
とちょっとご機嫌になる息子ですが、あきらかに呼吸の音が異常で、隣にいた受診待ちのおばちゃんも息子を横目でじーっと「この子、大丈夫か!?」というように見ていました。
診察になって分かった体内酸素の低さ
すぐに診察になりました。
医師も息子を見るなり、
「ちょっと大変そうだね・・・急にこんなふうになったの!?」
と聞かれたので、長い経緯を話します。
その後、体内の酸素飽和度を見るためにサチュレーションの機械を指に付けました。
そういえば、昼間の病院はサチュレーションを測ってはくれませんでした。私は吸入だけしてもらえたという喜びで気にもしませんでしたが。
体内の酸素飽和度というのは、大人でも子供でも普通の健康な人なら98~100%くらいが正常です。
少なくても95%くらいはあるのが普通。
私達が無理やり息を止めて、「もう無理!!苦しい!!」というところまで我慢すると大抵95~93%くらいまでは下がります。
そんな体内の酸素飽和度ですが、当時の息子は89~90%。
医師も驚いて、何度も指を変えて測定してみますが、結果は同じ。
そして、
「もしかしたらこのまま大きな病院に行ってもらうことになるかもしれません。とりあえずインフルエンザの検査だけさせて下さい。流行ってますので、鑑別の為ね。」
とインフルエンザの検査をされました。微妙に熱も上がっていたようです。朝は平熱でしたが、夜は37.7℃とかになっていました。
インフルエンザの検査の結果は陰性。そして医師と看護師などでいろいろ相談をしていたようですが、私が言われたのは
「紹介状を書くので、これから小児の救急センターへ行って下さい。喘息発作だと思います。」
と言われ、その場でその病院と連絡を取ってくれました。
その電話が終わったかと思うと、
「お母さん、向こうの病院から、状態が心配なので救急車で来るようにと言われました。これから救急車を呼ぶので、一緒に付いていってください。」
と言われました。
救急車⁉そんなに⁉
私はその病院に車でいけることも伝えましたが、息子の状態に何かあったら大変ということもあり、そのまま救急車で搬送されることになったのです。
まさかこんなに大ごとになるなんて・・・
という驚きの気持ちと
良かった、これで息子を楽にしてあげられる
という安心感、さらに
もっと早く自分で救急車を呼べばよかったのではないか
という後悔。
さまざまな感情が入り乱れて、複雑な気分でした。
救急車を見ても興奮さえしない息子
そのまま夜間救急に救急車が来て、息子は救急隊に抱かれ、私も同情し、搬送されることになりました。
いつもだったら、間近で見れる救急車に大興奮し、大喜びする息子なのですが、どんなに近くで見ても、中に入ってもまったく声も上げず、表情も変えず、ぼーっとしたまま、酸素を吸っていました。
ここまで息子を苦しめてしまった自分を、心から反省した瞬間でした。
救急車の中では、救急隊の方に名前や住所などを伝え、状態の変化や今までの経過、他の病気の有無などを聞かれました。
小児救急センターに入院に
そのまま病院に搬送され、担当の医師が胸の音を聞いてすぐに吸入が始まりました。
その吸入を見た息子は、すぐに看護師からその吸入器を奪い取るようにして、自分の口元に持っていき、必死に吸いました。
息子は何度も発作を経験していくうちに、『吸入すると楽になる』ということを体が覚えてしまっていたのです。
医師や看護師も「わかるの⁉偉いね~」」なんてほめてくれましたが、私としては息子をそんな風にさせてしまった罪悪感のようなものを感じ、また複雑な気分でした。
その後は胸のレントゲンを撮ったり、採血等の検査が実施され、少しずつ呼吸も楽になっているようでした。この時点で時計を見ると10時を回っていました。
こんなにバタバタしていたのか・・・
なんて思っているうちに、パパが眠っている長女を連れて来院。
パパと医師から話を聞きます。
「今日、昼間に吸入の対応をしているにも関わらず、ここまで症状が悪化すると自宅に帰るのは無理です。気道もかなり炎症があると思われるので、ステロイドなどを使って、元の状態にゆっくり戻していかないといけません。このまま入院になりますが、付き添いは出来ますか?」
こんなことを言われたと思います。
夫婦そろって先生に頭を下げてお願いしていました。
「息子をいつものように元気にしてやってください。」
結果的には3日の入院となった
入院中や付き添いのことを書くと長くなるので、またいつかお伝え出来たらと思います。
結果的には入院して初日は、まだ呼吸状態も悪く、1週間程度は退院するまでかかるだろうといわれていたのですが、2、3日目になると、呼吸状態もよくなり、内服も嫌がらずに出来る事から、早めに退院が出来ました。
この喘息発作を振り返って、反省するべきこと
息子をここまで苦しめてしまうことになってしまったのはなぜだろうか。
私はずっとこのことを考え続けました。
- 夜間・休日というタイミングの悪さ
- 当番医や救急センターも混雑していて診てもらえなかった
- いつもの病院に小児科医がいなかった
言い訳を書けばキリがありません。
でも、やっぱり一番は、
自分が動く決断が出来なかった
これに尽きると思います。
息子の状態がどんどん悪くなっていくのを目の当たりにしても、私は救急車を呼ぶことをためらいました。
でも結局は、救急車で搬送される結果になっています。
- いつものように吸入さえすれば何とかなる
- 救急車を呼ぶほど大ごとではないはず
こんなことを考えていて、結局は遠回りをしてしまっていました。
私は息子の主治医に、あの休日の状態で私は自分で救急車を呼んだ方がよかったのか聞いてみました。
「うーん・・・その状況じゃしょうがないよね。うちも紹介状がないと来れないし。でももし次も同じことが起こったら、救急車を呼ぼうって思うでしょ⁉」
そういわれて気づきました。
喘息発作で救急車を呼ぶのは正しいんです。そうしないとあっという間に状態が悪化していきます。翌日見てもらえばいいか、とかそんなレベルではありません。
息子の場合は半日もたたないうちに、状態が急激に悪化しています。
もしこれを読んでくれている方が自分の子が喘息みたいになってしまったら、私のような過ちを犯してほしくはないと思います。
もし自分の子供が喘息発作になったかもと思ったら
喘息発作の時の対応を私の経験からまとめたいと思います。
- 喘息かもと思ったら早めに受診をする
- 夜間休日で小児科がない場合は、それ以外でもとにかく早めに見てもらうことが重要
- 夜間の場合は相談ダイアルも活用
- 状態が悪化していると感じたら、迷わず救急車を呼ぶ
私の場合は休日昼間で相談ダイアルを使用することはできませんでした。しかし、病院に診療の問い合わせをする度に息子の症状と緊急性を伝えていたのですが、「すぐに救急車を」とアドバイスしてくれた人はいませんでした。
子供の状態が一番わかるのはやっぱり親です。
少しでも、変だな、状態がおかしいと感じたら救急車を検討することも必要です。
どうか皆さんも大切な我が子を苦しめることがないよう、私の体験談を参考にしていただけたら幸いです。